経営者は「降りた」瞬間から経営者ではなくなる、の巻

社会人になって足掛け8年目のおじさんですが久々に思考の整理をしたくなったのでブログを書いてみようと。

最初はどうしよっかなーなんて思ったのだけど、大好きなホラ吹き3兄弟について。

その中でもこの記事が一番印象的だった。

この中でも一番印象的だったのが下記のくだり。

「ざっくばらんに申し上げて、三洋精密さんは実質的に倒産しています。現に累積赤字をたくさん抱えて、小さな会社でありながら、百数十億の借金を抱えています」

まず赤字でも危機意識が低いかもしれない社員に厳しい現状を伝える。そして、ここからが永守さんらしさが出てくるスピーチだ。

「今日初めてお会いして『私を信用しろ』『私の言うことを全部信じなさい』とそんな大それたことは申し上げません。そんな初めて会った人間を信用できないのは、当たり前です。

だから私が第一声で申し上げたいことは『1年たってうまくいかなければ殴る、蹴る、唾吐く、好き勝手』で結構ですから。

凄い自信というか、無茶な飛躍なんだけど、ちゃんと地に足着いたものであることが次の記事から分かります。最終的にどこにたどり着くかを考えて、自分たちの位置からハチャメチャな飛躍はしないというくだり。

 

ベトナム時代NIDEC出身の新卒3年目を雇ったけれども、ホウレンソウや自走の面でめちゃくちゃ鍛えられていた印象が強い。しかもよくよく聞くと日本人のほうが猛烈に働いていたという、某赤い銀行等のありがちな体たらく駐在員とは異なる感じだったみたい。(現地の飲み会でも殆ど会った事ないし)

僕が永守さんを好きなのは異常なまでのストイックさが一貫していることと、他人に強要しないしなやかな強さがあるから。

「僕は偏見かもしれないけど、例えばベンチャービジネスの経営者ってあんまり信用できない。事業に対して、一生思いが続くかどうか。ほとんどの人が、途中で自己満足してしまったり、飽きてしまったりするんです。世の中、楽しいことが多いから、そっちにスッと、いってしまう。それで言い訳する。そうなったらもうダメ」

 これ最近のIPOゴール長者とか予備軍に物凄く多いよね。何かイベントやってちょいちょいで資金調達して、しょぼいexitしたら一流の経営者気取りで政治とか語っちゃう。愚の骨頂だなと思う。

閑話休題

SBの株主総会の永守さんの発言もそうだけど、役職が人格を作る側面は一部ではあるけれども、「経営者」というのは「心理的に降りた」瞬間から単なる若年寄になるんだなと思う。降りた例が永守さんの指摘しているような経営者だ。

 

ホンダの元CFO藤沢武夫の本のタイトルにもなっているが経営に終わりはない。降りるなら明確に降りるべきだと思う。その点宗一郎と藤沢武夫の引き際は実に見事だった。

「意思決定」が何かという事と会社の持続性やワイガヤをそれだけ大事にしていたのだと思う。

時代錯誤かも知れないが、そのあたりの見極めにすら至っていないにも関わらず降りるのは泡銭のおこぼれを目指すショボイ人には賛同されど、本質的な人には見透かされると思う。結構色々な経営者見てきたけど、年齢性別関係なく降りてる人は判る気がする。

実際後輩の会社でもそこそこ資金調達していたが、経費とか私物化してしまい結果従業員にクーデター起こされたケースもあったり。

そう考えると、月並みですが、役職とかではなくマインドセットの問題なのだろうな、そう思う平社員なのでした。