役割と戦略
最初に言っておくと、人間というのは本来上も下もなく、会社における役職等も役割分担に過ぎないと思っている。
何だか役割に拘る人ってのが一定数居るのだなあと思いました。そういう人に限ってどうにも本質的な議論を避け、下らない方向に議論を進めるものだなと感じました。
成果で昇進等が決まる、というのはまあ最もな話なのだけど、成果の基準が実は玉虫模様の場合は往々にして政治が跋扈しやすい。
そりゃそうだよねということなのですが、基本的に人は思う以上に弱い。そんなに強い人ってあまり居ない。で、政治を受けてしまうのは感情に左右されてしまうのはその弱さに付け込まれることに他ならない。そういう点でも自身の原理原則の普遍性や汎用性は常に厳しい眼で見なければいかんなと。
そんな折、久々に名著を手に取った。
日本軍の敗戦への道程は、戦略グランドデザインからの逸脱とも言えると思っていて、原因は諸般あるけど、大きかったのは横連携の断絶と過度に俗人的な組織体制だったのかなと再発見。
- 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1991/08
- メディア: 文庫
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また、色々な会社で「戦略」という言葉を使うけど、僕の認識では70%が誤った認識をしているなと思うので、本著を熟読頂きたいなと思ったのであります。戦略の要諦は戦わずして勝つことなので、何かを「やる」裏側には「やらない」がないとそれは戦略の体を成していないという事だ。それは「やらないことをやらなければならない局面では撤退する」ことを意味するのではないかなと思うのであります。
基本的に戦略は「それっぽいワード」の中でも髄一のそれっぽさを誇るので猫も杓子も使いたがりますが、誤用は聞く相手によっては「こいつアホだな」と思われてしまうので自戒を込めて気をつけたいところです。